人類を脅かす巨人の存在理由は長く謎のままでしたが、戦いが進むにつれて、巨人の種類やその正体が次々と判明していきました。
なぜ、巨人は徹底的に壁の中の人間を襲い続けるのでしょうか?
ここでは、進撃の巨人 巨人の正体の謎を解くための2つの考察について紹介していきます。
1.進撃の巨人で「巨人の正体判明」を導く2つの分析
巨人には知性を持つ巨人と持たない巨人がおり、さらに巨人になれる人種とそうでない人種がいることがわかりました。
まずはじめに、進撃の巨人で「巨人の正体判明」を導く2つの分析について紹介していきます。
①巨人になれる人間の条件は「ユミルの民」であること
巨人化できる人間には、最低でも2つの条件が必要であることがわかっています。
・ユミルの民であること
1800年前に初めて始祖の巨人を手に入れエルディア国を築いた「ユミル・フリッツ」の血を引くエルディア人がこれにあたる。
・巨人化の注射を打たれていること
エルディア人に巨人化の注射を打つと「無垢の巨人」または「知性を持つ巨人」のいずれかに変態する。
無垢の巨人と知性を持つ巨人を分ける決定要因はまだ不明ですが、巨人の脊髄液が主成分であることから、どの巨人の脊髄液を注射されるかで変態後の状態が左右されます。
例えば、楽園送りにされたエルディア人が打たれた注射は、無垢の巨人から抽出した脊髄液のため、人間としての意識をほとんど失った状態で放浪することになります。
ただし、知性を持つ巨人の脊髄液を注射したからと言って、必ず知性巨人になれる保証はありません。
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このため、ライナーやベルトルトのように望んで特定の巨人になろうとする者は、まず無垢の巨人の注射を打ったのち、鎧の巨人や超大型巨人などの情報を持つ人物を食らって力を移行させることになります。
②「9つの知性巨人の種類とその正体」が判明したきっかけ
始祖の巨人(エレン)
フリーダから始祖の巨人を奪ったグリシャが自分自身をエレンに食わせた様子が第71話などからわかる
進撃の巨人(エレン)
第7話で覚醒し進撃の巨人となる、ひとしきり戦闘を終え倒れ込んだ巨体からエレンの姿が現れた
女型の巨人(アニ)
うすうす正体に気付いていたアルミン達の策により、第31話で正体を明かす
鎧の巨人(ライナー)
第42話で鎧の巨人であることをミカサに見破られ、腕を切り落とされた際に巨人化を見せる
超大型巨人(ベルトルト)
第42話でライナーと同時に巨人化する
顎の巨人(ユミル)
第40話のウトガルド城決戦で自ら巨人化する
車力の巨人(ピーク)
第93話で正体がマーレのエルディア人であるピークであることがわかる
獣の巨人(ジーク)
第70話でライナーの鎧の巨人と格闘した後に姿を現したのが、エレンの腹違いの兄ジーク
戦槌の巨人(不明)
2.進撃の巨人で「巨人の正体が人間」と判明したことで生じた3つの困難
次は、進撃の巨人で「巨人の正体が人間」と判明したことで生じた3つの困難について紹介していきます。
絶対悪と認識してきた巨人の正体は、実は人間であったことがわかり、壁の人類たちは大きく動揺することになります。
①巨人の正体が人間であることで「巨人討伐の使命や覚悟」が揺らぐ
巨人とは人類の生存を脅かすためだけに存在する、悪魔と同じ存在だと思われてきたのに、実は正体が人間であることがわかりました。
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・進撃の巨人や女型の巨人の正体がエレンとアニだった
・グリシャの手記から「無垢の巨人はもともとエルディア人」だと判明した
いずれの事実が判明した時も、調査兵団は、巨人討伐の意味や自分の存在意義すらわからなくなってしまうほど混乱したのです。
- なぜ人間が巨人にならなければならなかったのか
- 巨人が人間ならば安易に殺すことができずためらう
- そもそもなぜ人間同士が殺し合う必要があるのか
中でも、最も凄惨な巨人利用とされるのが、「壁を作る超大型巨人」の事実です。
壁の中身が「抵抗も許されないままコントロールされ生き埋めになった人間」だと思うと、決して穏やかな気持ちではいられません。
調査兵団のメンバーたちは、巨人を倒せば平和になるわけではないこと、自分たちが人間同士の殺し合いをやってきたのだということを突き付けられ、激しく悩むことになりました。
②戦いにおける「無垢の巨人」と「知性を持つ巨人」の明確な役割分担
物語の世界では、巨人の力を持つ以上、何らかの形で戦闘に参加する運命にあり、その重要度や役割は、「無垢の巨人」か「知性を持つ巨人」かによって全く変わります。
無垢の巨人は「使い捨ての兵器」と同じであり、倒されてもまたエルディア人を巨人化させれば良いとの考えに基づいて量産されている状態です。
このシステムは現在まで漫然と繰り返されている悪習だと言えます。
知性を持つ巨人の場合は、別個に特殊な能力を備えているため、慎重な戦略の上で「誰が継承するか」が決定されることになります。
つまり、「明確な目的を持った個人」が継承する巨人なのです。
これまでエルディア人とマーレ人は、相手を支配するための切り札として知性を持つ巨人を利用してきました。
- 力とスピードのある鎧の巨人と進撃の巨人
- 圧倒的な体高の超大型巨人
- 小柄で機動力の高い顎の巨人
- 物資を運べる車力の巨人
- 人間と同じレベルの器用さを備える獣の巨人
- それら巨人たちを一斉にコントロールできる始祖の巨人
巨人一体一体の特殊能力は極めて素晴らしいものですが、今まで主に兵器として扱われてきたことを考えると、まさに人類による力の悪用とも言えます。
②両民族が和解し「巨人の力を平和利用」できた場合の想定
もし両民族が和解し、巨人の力を平和的に使えるのだとしたら、人間の衣食住の根底を大きく支えてくれる存在になることは間違いありません。
主に開拓、建築、領土内の物資運搬作業をメインとして、知性を持つ巨人がそれぞれ次のような役割を担うことができます。
進撃の巨人・鎧の巨人:木材や石材の切り出しと運搬、土壌の掘り起こし
超大型巨人:城や壁など高さのある建築物の構築
車力の巨人:領土内各地への物資運搬、人類の大量移動
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女型の巨人・顎の巨人:迅速な伝達手段
獣の巨人:強度の高い建築基礎の構造
始祖の巨人:各巨人の暴走を抑制する管制塔
非常に考えにくいことではありますが、人類が心から平和を願った時、知性を持つ巨人の力を「国土と人類の繁栄」に活かすなら、このような利用の仕方ができます。
むしろ、そこまでの平和が実現される時代になれば、巨人の力そのものが無用の長物になっていくことも考えられます。
3.まとめ
巨人に関する出来事で最もショッキングだったものは、無垢の巨人の存在や壁を形成していた超大型巨人の集団にまつわる事実です。
ぼんやりとした意識しか持たず、何十年も意味もなく人間を食らい、第三者からコントロールされて望まない行為を強いられるのは、いかにも残虐な行為と言っても過言ではありません。
どんな力も「何に使うか」で良し悪しは分かれますし、誤った歴史・人類の過ちを繰り返さない意志があるならば、巨人と人間とが共存できる世界を目指すのも一つの大目標になります。